2022年11月22日

2022年11月22日(火)13:10〜16:00ころ

3512室での参加:見学者1名(4限:14:40〜16:10)

オンライン参加:土居さん、近藤さん

12月6日に予定されている合同ゼミ学生発表会の準備をしました。ブリテン最初のフェミニストと称されるメアリ・ウルストンクラフトの著作『女性の権利の擁護』(1792年)を論じた梅垣千尋さんの論文とチャリティを三つの観点から通史的に把握した金澤周作さんの著作を紹介し、発表へとつなげるのが今日の課題です。

発表の基本的な筋は、まず別個の領域のイデオロギーを紹介します。ついで、ウルストンクラフトやチャリティ活動のなかに、私的な領域にとどまらない女性たちの存在を確認し、現実とのずれに意味を見出すという2部構成です。史料をつかった研究ではなく、文献の整理から得られる知見を発表するのですから、うまく論点を提示できればよい発表になると思います。

『女性の権利の擁護』については強みと弱みの両方を指摘するのが研究の常道ですから、用語のあいまいさや主張の首尾一貫性の欠如などはしかたがありません。その出版じたいを評価し、フランス革命に共感して公共圏へと進出した女性の活動の一つとしてとらえることにしました。ウルストンクラフトの伝記的な情報をこれにくわえます。

チャリティについては、ガヴァネス慈恵協会の活動と投票チャリティの経験をとりあげることにしました。前者は、家庭という私的な領域であったがゆえにはたらくことができた住みこみに家庭教師にたいして、公的な支援をおこなった団体の活動であり、後者は階級的に限定されたとはいえ、女性が投票権を行使した例外的なチャリティでした。ガヴァネスの現実をくわえて発表します。

発表の材料をととのえるため、11月30日(水)13時からオンラインでミーティングをします。しっかりやりましょう。